蓄積型体験学習支援システム

蓄積型体験学習詳細

桃果さんの記録 2023年11月22日(水)
体験分野 学習支援実習 活動の名称 学習支援実習 実施施設・機関等 諫早市立 西諫早中学校
実施日 2023年11月13日~2023年11月21日 実施時間 実施回数:4回  実施時間:40時間

活動内容の概要
・テストの採点業務(国語・数学・社会の採点)
・中学3年生の面接練習の手伝い(面接官役として生徒に質問をした)
・県中総体駅伝の掲示物作成業務
・コピー用紙の補充の手伝い(職員室のコピー機の用紙を補充)
・中学1年生~3年生の国語の授業参観
・中学2年生の書写の授業のお手伝い(生徒に書き方のアドバイスを行った)
活動の総括
1.「学習支援を必要としている生徒への寄り添い方を学ぶ」について
今回の学習支援実習において、全学年の国語の授業の様子を参観した際に、個別の学習支援が必要であると考えられる生徒を目にした。その生徒は先生から指示されたことをクラスの皆と一緒に行うことが苦手であり、クラスの皆がアンケート結果の分析をしているときに、まだアンケートに答えていたり、1人だけ違うページを見ていたりといったように、学校の授業や活動についていくことが難しい生徒のように感じた。そのような生徒に対して、教科の先生は、個別にその生徒の机まで行き、「アンケートを一緒に作ろうか?」と優しく声をかけていたり、定期的に様子を見に行き、進捗状況を確認していたりするなど、集団を指導しつつも、個人のことも同時に気にかけながら、学習支援を必要としている生徒に寄り添っているということが理解できた。また、このような学習支援をしているのは先生だけでなく、周囲のクラスメイトも積極的に参加しているという光景を目にした。具体的に述べると、個別の支援を必要としている生徒の近くの席に座っている生徒が、自分の活動が終わり次第、その生徒の様子を見て、「今はこのページを見るんだよ」と声かけを行っていたり、パソコンの操作方法が分からないときには、その生徒の席に行き、直接教えていたりするといった支援の状況が見られた。私は、今まで、生徒が学習支援に参加するという光景を直接見たことはなかったため、今回の実習のなかでも、このような光景は特に印象に残っている。これまで、学習支援が必要な生徒への支援をすることができるのは、担任の先生や教科の先生、特別支援の先生が中心であると考えていた。しかしながら、今回の実習のなかで、学習支援が必要な生徒と同じクラスのクラスメイトも学習支援のお手伝い的役割を担うことが十分可能であることを新たに学ぶことができた。このように、教師だけでなく、同じクラスの生徒も学習支援に自主的に参加できるようなクラスの雰囲気を作ることができれば、学習支援を必要としている生徒もその支援をする先生もゆとりを持つことが可能になるのではないかと感じた。そして、そのようなクラスの雰囲気を作るためには、まずは教師自身が生徒のお手本となって、個別の支援が必要な生徒に対しても肯定的な言葉かけや支援を行う姿勢を見せることが何よりも重要であると考えている。以上のように、今回の実習のなかで学び得た、「学習支援を必要としている生徒への寄り添い方」を今後の教員生活における1つの大きな軸としたい。

2.「ICTを活用した授業実践について理解を深める」について
今回、実習のなかで授業見学をさせていただいた中でも、1年生の国語の授業や2年生の書道の授業において、ICTが用いられていた。1年生の授業では、生徒自身がグーグルフォームアンケートを作成し、集めたアンケート結果をもとにデータを分析するという授業において、生徒は1人1台、タブレット端末を用いて授業に参加しており、先生も、データの分析の仕方について説明を行う際にテレビ画面にパソコンを接続させて全体に説明を行っていた。最終日に参観した書道の授業においても、筆づかいのポイントや穂先の動きについての解説動画をテレビに接続して全体への説明を行っていた。このように、中学校の授業のなかでも、生徒自身の調べ学習や言語活動の他、授業内容や活動の流れ、ポイントの解説等を生徒にとって視覚的に、より分かりやすく伝えることを目的とする場面において、ICTが積極的に用いられていることが理解できた。さらに、生徒たちに1人1台与えられているタブレット端末を現時点でどのように活用することができるのか、そして反対に、どのような面で苦戦しているのかという点に関する理解も深めることができたように思う。パソコンを開き、自分のアカウントにログインし、先生が指定したページを開き、文字を入力するという基本的な操作は全体的にできており、効果的に利用することができている反面、得られた情報や自身がまとめた情報を整理するなどといった細かなパソコンの操作や活用方法に関しては、苦戦している生徒が多く見られたため、そのような面を限られた授業の中で、情報の授業内容とも連携させながら、いかに指導するべきであるのかということは今後の自分自身の課題点としたいと考えている。

3.「公立中学校における国語科教育に関する知識を深める」について
今回の実習では、国語(書写も含む)の授業を合計5つ、参観させていただいた。それぞれ、「おくのほそ道」に関する読解の授業、ICTを用いたアンケート収集・分析の授業、スピーチを行う授業、書道の授業、詩を読み味わう授業といったように、内容だけでなく、授業やクラスの色も大きく異なる授業を参観することができた。そのため、公立中学校における国語科教育について内容を問わず、幅広く知るための非常に良い機会となった。ここでは、総括として、計画書に記載した目標でもある、「今回の実習で知識を深めることができた、公立中学校における国語科教育と2年次の実習において学んだ、公立小学校における国語科教育の共通点や相違点」をまとめる。はじめに、共通点として、小学校、中学校のどの授業においても、生徒の意見や考え、そして生徒主体の活動が重要視されている点が挙げられる。教師が知識を一方的に教え、生徒はそれに従うような授業ではなく、生徒自らの口で話し、目で見て、手を動かして進んでいく国語の授業が実施されている点は小学校においても中学校においても同じであり、高校の国語科教育にも繋がるものであると感じた。また、毎時間の授業において生徒たちが何かしらの問題意識を持ち、授業に取り組むことができるように、授業の始めに、めあてや教師からの発問を提示し、その答えを導き出すために、小課題や補助発問から解決し、最終的なまとめへと繋げるという一連の授業の流れも共通していることが理解できた。反対に、相違点について、一番大きな違いだと感じたのは、中学校の国語科教育では、小学校以上に、生徒自身の頭で考え、答えを導き出す力が求められていることである。参観した授業を例に挙げると、芭蕉が高齢であるにもかかわらず、旅立ちを決意した理由を本文の表現から見つけ出す授業や詩の表現から主人公の行動の意味を考察する授業など、問いで聞かれていることの難易度が上がるだけでなく、その問いに対していかに生徒自身の力で考えさせる時間を設けるのかという点により力が入れられているのが中学校における国語科教育の特徴であるのではないかと推測する。また、それと関連して、
クラスメイトとの意見交換の仕方も小学校と中学校において違いがあるように感じた。小学校の国語の授業では、複数名でグループを作り、意見交換を行う時間よりも、隣の人や近くの人と一緒に、互いの書いた答えを確認するという場面が多かった。しかしながら、中学校の国語の授業では、まずは個人でじっくり考えを深めた後で、4、5人のグループに分かれ、互いの意見を聞くとともに、それらを班の意見としてひとつにまとめて発表したり、新たな考えを導き出したりする場面が多くあり、中学校の授業においてはクラスメイトとの意見交流の時間も密度も、ともに高まっている印象を受けた。このように、生徒自らの力で考え、クラスメイトと積極的に意見交換をし、全体の授業として活かしていくことのできるような授業の展開を考え、実践することが中学校の国語科教育において重要視されていることのひとつなのではないかと、今回の実習を通して気づくことができた。このような気づきや学びを来年の春から、高校の国語科教育に活かしていくことができるように、今後も積極的に国語科教育についての学びを深めていきたい。


そして最後に、このような大きな学びを得ることができたのは、大瀬先生をはじめとする西諫早中学校の先生方、教頭先生、校長先生、そして、生徒の皆さんのおかげです。4日間、大変お世話になりました。ここでの学びを残りの大学生活、そして今後の教員生活に大いに活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

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