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蓄積型体験学習詳細
体験分野 学習支援実習 |
活動の名称 学習支援実習 |
実施施設・機関等 時津町立 時津中学校 |
実施日 2023年9月11日~2023年9月15日 |
実施時間 実施回数:5回 実施時間:40時間 |
活動内容の概要
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・授業中の支援(机間指導)
・授業の参観(国語、道徳)
・提出物の確認(漢字ノート、夏休みの課題チェック)
・生徒とのふれあい(休み時間、給食指導、掃除、短学活、合唱コンクールの練習、挨拶運動) |
活動の総括
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1.生徒とともに授業を創り上げるための技を学ぶ。
今回は主に3年生の国語の授業を参観した。授業では、「万葉集」「古今和歌集」「奥の細道」など古典に関する教材を取り扱っていた。歴史的仮名遣いや現代と異なる価値観に生徒は戸惑っていたが、対話を中心とした授業で生徒の理解を深めていた。興味を引く単語やつまずきやすい単語がある際には「この言葉はどういう意味?」と言葉の意味に注目させ、細かく考えさせていた。また、「これはどんな和歌?」と大きく問う場合もあり、発問を使い分けていた。授業の様子を見て、古典を扱う際は感性や文化のギャップに引き込む工夫が重要だと考えた。特に、当時の恋愛観を表した歌に生徒は興味を持っていた。価値観の違いをうまく利用し、興味を持たせる授業を行いたい。また、学級によって雰囲気や理解度に差が出るため、質問の順番を入れ替えたり、グループ活動を取り入れたりしていた。同じ学習内容でも学級に合わせた授業の方法を学ぶことができた。
生徒とともに授業を創るためには、生徒理解が必要不可欠だ。3年生担当の先生は、生徒との信頼関係が強く、一人一人を深く理解していた。その信頼に基づいて、意図的に指名を行い、気兼ねないやり取りをして授業を楽しく進めていた。教材研究や生徒理解を通して、生徒が主体的に授業に参加できる授業を創りたい。そして、学級に合わせて変化、対応しながら授業を行うことができる教師を目指したい。
2,生徒と信頼関係を築くための取り組みに注目する。
生徒と信頼関係を築くためには、特に2つのことが重要だと考える。
1つ目は、生徒と誠実に向き合うことだ。目を見て話す、体を向けて話す、間違えた時は素直に謝るなど対話する時の姿勢に加え、提出物の確認等でもその姿を示すことができる。漢字ノートのチェックをする際、取り組みの有無だけでなく、間違った漢字がないか、読めない文字がないかまで細かくチェックし、ワークに印をつけるとおっしゃっていた。激務の中で細かいところまで確認する作業は大変だと思うが、そのような姿勢から生徒の信頼を得ていることを感じた。
2つ目は、こまめな声かけだ。廊下ですれ違った際、挨拶だけでなく、生徒と積極的に会話をしていた。授業後もすぐに教室から出るのではなく、質問にくる生徒や会話をしに来る生徒に囲まれていた。3年間持ち上がっていたということもあり、1年生の頃から築き上げてきた関係が現れていた。生徒の様子に気を配り、「〇〇出した?」「〇〇よかったよ!」など一言かけることの積み重ねで生徒との距離感が変わっていることを感じた。
3.家庭、地域との連携の取り組みや時津中学校特有の取り組みを知る。
地域との連携に関して、総合の学習の時間では時津町について調べる活動を行い、講話や校外学習を予定していた。外との交流は、開かれた学校を作るために重要だと改めて感じた。また、外部から講師を招くことで、マナーを守らせたり、外の目を意識させたりすることができる。社会人としてのマナーを学ぶ意義を体感させる場でもあった。
また、家庭については複雑な問題があることを感じた。教育実習で訪れた附属中学校は、教育の意識が高い家庭や進学を志す生徒が多い中、公立中学校は教育格差や進学をすることに魅力を感じていない生徒もいる。懇談会や授業参観などを充実した時間とし、保護者との距離を縮めることが重要である。親と上手くいっていない生徒もいるため、仲介に入り、適切な学習環境を守るためにも、保護者と信頼関係を築き、生徒理解や支援に役立てたい。
時津中学校特有の取り組みについては、あまり調べることはできなかったが、挨拶運動と環境整備に力を入れているように感じた。全員で環境整備をする時間を設けたり、授業中は黒板周りの汚れや棚の上に置かれたものなどを指摘したりなど、綺麗な環境を保つように声をかけていた。環境が整っているクラスには、落ち着きがあるように感じた。朝の挨拶運動は、生活部の生徒を中心として行っていた。廊下ですれ違う時も挨拶をしてくれる生徒が多く、挨拶があると学校の雰囲気も明るくなるように感じた。
今回の実習では、教育実習だけでは学ぶことのできなかった公立中学校の実態や教師の仕事について学ぶことができ、貴重な経験となった。特に、生徒理解の重要性を感じた。様々な家庭環境や人間関係を抱える生徒が集まる教室では、全体の統率をとりながら個々の支援を行わなければならない。生徒理解には毎日の積み重ねが重要であることを意識し、これから教師として諦めずに生徒と向き合っていきたい。
そして、今回の実習にあたり、ご指導してくださったすべての先生方、生徒、実習に関わる方々に心から感謝したい。 |
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