蓄積型体験学習支援システム

蓄積型体験学習詳細

関戸七帆さんの記録 2024年10月29日(火)
体験分野 離島実習 活動の名称 離島実習 実施施設・機関等 新上五島町立 若松中央小学校
実施日 2024年10月16日~2024年10月21日 実施時間 実施回数:5回  実施時間:40時間

活動内容の概要
・授業中のサポート(学習支援や○つけ等)
・昼休みや放課後の触れ合い(遊び・放課後学習)
・授業担当(算数 単式)
・活動の補助(はまじんちょう祭り)
活動の総括
1:複式学級での教育法の理解を深める。
  今回の学校では、1・2年、3・4年。5・6年の複式学級であったが、全授業で複式の形態をとるわけではなく、算数などにおいては完全単式授業であった。そのことに関して、少人数である学校は、複式授業をしなければならないという固定概念を持ってしまっていた。しかし、少人数の学校においても学習段階を考慮したうえで、実態に沿った形態で学習環境を整えていく必要があり、状況によって単式にできるような先生の数、設備が必要であると感じた。理科などの授業においては、実験等危険を伴うこともあるため、そのような際はメインでつく学級を定め、片方の学級の授業の内容も考慮して進めていくことの大切さを理解することが出来た。また、他の学年の実験に興味を示した際は、学年を越えて少し参加するなど児童の興味関心に沿って学習をさせたり、これから学ぶことに対して早くから興味関心を持てるように仕組むことの大切さを学ぶことが出来た。

2:子供達の日常生活を知る。
  子供達は、自家用車や学校専用のバスで通う子が大半であった。そのため、1.2.3年生などは授業が終わった後も、上の学年の授業が終わるまで待機しておく必要があり、授業後は放課後学習として学校で宿題を進めたり、校庭で遊んだりする様子が見られた。また、塾に通っている児童もほとんどおらず、学校や家庭における学習の重要性が示唆されたように思う。児童同士の家が離れていることもあり、学校終わりに友達の家で遊んだり、公園で遊んだりすることは当たり前ではなく、学校外では自分の兄弟等と遊ぶ事が基本であった。習いごとに関しては、バスケットボールをしている児童がとても多く、放課後は学校の体育館で他の学校の児童と共にバスケットボールの練習をしている姿が多く見られた。将来の夢についても聞いたが、親が漁師をしている人もおり、その子に限らず、「お父さんのような○○になりたい」「お母さんのような○○になりたい」と話す児童が多く、身近な人に尊敬できる人・憧れの人がいる環境がとても素晴らしく、児童の心・考え方も素敵であると感じた。

3:地域文化の継承と継続的な地域づくり・活性化の方法を学ぶ
  「はまじんちょう祭り」というものに参加をしたが、そこでは各学年が出し物を披露していた。地域の魅力について紹介している学年や、古くから伝わるすり身揚げの作り方を紹介したりするなど地域の文化の継承や魅力の発信をしている姿が見られた。また、はまじんちょう祭り終了後の片づけに関しては、保護者や地域の方々が積極的に協力して下さり、とても地域と学校の繋がりの強さを感じた。お世話になった民宿の方もとても優しく、学校に通っている児童がいるわけではないが、学校のことをよく知っており、学校の先生とも親しく関わっており、地域と学校の繋がり方、距離の近さが離島ならではだと感じた。学校という存在が、地域にとっての繋がりの場であり、地域に元気を与えられるようなものであることがとても大切であると感じた。今回の学校では、毎日写真付きでどのような活動したのか、どのような児童の頑張りが見られたのかをネットにアップしており、このような先生の努力がとても重要になってくるのだと思った。

4:子ども達のコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築く
  附属の児童と違い、最初はとても恥ずかしがりで、コミュニケーションを積極的に取ろうとする児童は少なかった。しかし、とても心優しく、まじめで頑張り屋さんな児童であった。少しコミュニケーションに支障がある児童に対しても、児童でも先生でもない実習生という立場で積極的にコミュニケーションをとり、少し反抗する様子が見られたとしても、見捨てずに笑顔で自らコミュニケーションを取りに行くと、だんだんと心を許してくれ、児童の法から話しかけてくる場面が増えたり、バスの帰りには手を振ってくれるようになったりととてもうれしいことも多くあった。算数の授業を担当した際は、少人数だからこそ活動的に出来るような授業構成にし、授業のなかで1人1人と会話する時間を多く設けることが出来た。買い物をするという内容であったが、自分の分だけでなく、「クラスの皆の分を買ってあげたい」て発言する児童や、「沢山お金あるけど、少しで良い」という児童がいるなど、授業の中で1人1人の性格や考え方を知る事ができ、算数という授業を越えた授業を行えたのではないかと思う。最後にはお手紙や似顔絵等を児童から頂き、児童との関わり方は児童にしっかりと影響を与えるものなのだと実感したとともに、そのように影響を与えるのであれば、軽い気持ちで接することは良くないことであり、毎日のかかわりを大切にしていきたいと思った。

5:特別な支援を要する児童の現状を理解し、対応の仕方を学ぶ
  特別支援教育に関わる児童はほとんどおらず、自閉症を持つ児童は1人いたものの、学校生活において支障が見られる事はあまりないようであった。しかし、障害として判断されなくても、学習の面において他の児童よりも学習支援が必要であると感じる児童は数名在籍していた。学習の場面において、準備が遅かったり、皆と一緒に活動する場面において少し距離を多めに取りたがっていたり、常に少し反抗的な態度を先生に対して取ったり、場合によっては授業の際に教室にいられず一人になろうとする(逃げる)といった児童の行動が見られた。担任の先生以外にそのような児童のそばにいられるような教師がいらっしゃったため、強制的に授業に参加させたり、放置させたりということが無かった。そのため、少人数の学校においても、そのような心のケア等に携われる教師の数が必要であり、場合によっては特別支援等の免許やそれに関する資格を持っている教師が必要であると感じた。他の学校に通っていた児童が不登校気味になり、離島の学校に転校してきたという方もおり、離島教育の在り方はそのような面でも需要があり、必要不可欠であるのだと実感した。

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