蓄積型体験学習支援システム

蓄積型体験学習詳細

k3515さんの記録 2025年10月14日(火)
体験分野 離島実習 活動の名称 離島実習 実施施設・機関等 新上五島町立 北魚目小学校
実施日 2025年10月6日~2025年10月10日 実施時間 実施回数:5回  実施時間:44.5時間

活動内容の概要
・学習支援(困っている子へのアドバイス、個別指導)
・地域交流活動への参加(あご焼き体験、動物との触れ合い体験、水産教室)
・学校生活でのサポート(登下校指導、給食指導、清掃指導など)
・昼休みでの外遊び
活動の総括
1."離島特有の学校スタイルに注目する" について
 今回の実習の目的として、複式学級のメリット・デメリットを考え、自身の教育方針へ生かすことを掲げていた。実習前は、少人数で行う教育であれば、個別最適化された学習を行うことができ、児童一人一人が理解できる学習を提供できるのではないかと考えていた。実習を通して、実際は、限られた時間の中で、二つの授業をすることが精一杯であり、個人に使う時間が十分に確保できないことが分かった。
 学習支援を行いながら生徒の様子を観察していたが、一生懸命先生の話を聞きながら、積極的に参加する児童もいれば、下を向き、手遊びをする児童も見受けられた。差が開く理由としては、授業が分からない、つまらないからなど様々あるだろう。少人数で児童一人一人の様子を見ながら授業できるとしても、時間がないために、個別最適な授業が難しいと推測される。
 この状況を改善するためには、学習支援員を増員することや授業方法を工夫する必要があると考える。北魚目小学校には数人、学習支援員がおり、各学年の学習支援を行っていた。支援員を導入することで複式を解消することや児童へ充実した学習を提供でき、教師の負担軽減も可能だ。
 これまで複式学級で行う学習は、個別最適化されており、児童一人一人が積極的に参加できるというメリットばかり想像していたが、案外デメリットも多く、現在も現場では試行錯誤が繰り返されていることを実感することができた。「ICTを活用すれば…」など言葉でなら言えることも、教員不足や社会状況の影響で、実際はできないということだ。理論だけでなく、現状を見ることも大切だと改めて考えさせられた。

2."学校と地域の関わりに着目する" について
 実習の目的の2つ目として、学校と地域の連携が、どのように影響を与えているのかについて考えることを掲げた。現在の学校教育では、コミュニティースクールという学校や地域、保護者が連携しながら、教育方針を考えることが重要視されている。実習を通して、学校や地域がどのようにつながっているのか、つながりの重要性について考えた。
 今回、あご焼き体験や動物との触れ合い体験をさせていただいた。どちらとも校外学習の一環で、地域の方々の協力によって成り立っている学習であった。学校で行う座学とは違い、実際の社会へ出て学習するため、社会性を身に付けることにつながり、また実体験を伴う活動であるため、児童の知的好奇心をくすぐり、記憶にも残りやすいという特徴があると考えられる。このような体験ができるのも、地域の協力があるからである。
 地域と学校がお互いに歩み寄り、協力することが、児童の成長に大きな影響を与えると考えられる。地域と共に成長する学校づくりが重要なポイントだと学んだ。

3."子どもたちの様子に注目する" について
 実習の目的の3つ目として、少人数で学校生活を送る子どもたちがどのように遊んでいるのか、関わり合っているのかを考えることを掲げた。子どもが生活する環境の違いで、遊び方や人間関係の構築に違いがあるかどうかを学び、考えた。
 子どもたちは、毎日他学年と遊んでいたようだった。一緒に遊びながら、観察していたが、1年生と4年生など、全校で一緒に遊ぶ姿が多く見られた。また、縦割り清掃といって、他学年同士が協力して掃除をするという活動もあり、学年で分けられていなかった。
 つまり、小規模学校特有の形なのかもしれないが、学校全体が一つであり、児童間の交流も多く、学年関係なく、みんな仲良しという印象であった。生活する環境の違いで、学校経営や児童同士の関係性が異なることが分かった。しかし、この学校全体が一つであるという考えは、どの学校にも必要な視点であると考える。これから教師になる上で、大切にしたい考え方である。

総括
今回の実習を通して、複式学級の現状や学校と地域のつながりの大切さを学ぶことができ、離島における教育の実態を実感したところである。しかし、教育の本質は同じである。児童の実態を把握し、実態に合った授業を展開すること、児童がよりよい未来を切り拓くために、サポートすることなど、児童が主体となる教育である。このような教育には、地域の存在も欠かせないのである。学校と地域が一体となることで、よりよい児童の育成が促されるのではないかと考える。「教育とは何か、何のために行うのか」を再考する実習となった。実習で関わったすべての方々、ありがとうございました。

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