蓄積型体験学習支援システム

蓄積型体験学習詳細

1r1qxさんの記録 2013年10月17日(木)
体験分野 離島実習 活動の名称 見岳小学校実習 実施施設・機関等 南島原市立 見岳小学校
実施日 2013年9月24日~2013年9月29日 実施時間 実施回数:5回  実施時間:42.5時間

活動内容の概要
本実習では、僻地や離島の少人数学校の実態と現状の把握、地域と一体化した教育について学ぶことを目的に、以下の活動を行った。
・集団登校引率
・授業の参加観察、TT
・運動会準備
・運動会係り
活動の総括
①地域と一体化した教育
 見岳小学校では、学校と地域が一体となって教育を行うことに力を入れている。今回の実習では、大きく3つの取組と連携のために行っていることについて話を聞くことができた。

・見岳少年の森
見岳小学校では、総合学習の時間に森の活動を行っている。具体的には植樹や間伐、歩道や公園の整備を行ったり、遠足や自然学習の場として利用されている。活動の目的としては、故郷の自然に学び自然を守ること、故郷の自然の良さを知り好きになることがあげられており、緑の少年団の活動として表彰を受けている。年に1度、活動の足跡として新聞づくりを行っている。この活動では、故郷を知り、故郷を思う子どもを育てることができるだけでなく、子ども達に様々な経験の場を与えている。現代の子ども達にとって、自然とふれあうことはもちろん、火やのこぎりなどの道具を使う経験することが減っている。見岳小学校の子ども達は森の活動を通して、のこぎりや鎌などの道具を使い、虫や山菜などの植物について実際に触れて学んでいる。また、採れた山菜を調理したり、遠足などの行事の際には高学年を中心に豚汁を作るなど、包丁や火を使って自分たちで調理をしている。またそういった活動の中で下級生の面倒を見ることや友達と協力することを学んでいる。
他の小学校にはなかなかない体験を行っているが、森の活動に力が入るあまり、遠足にお弁当を持っていったことがないなど普通のことを経験することがないため、保護者の中には普通の経験もさせてあげたいという声もある。また総合学習においては、森の活動がほとんどであるため、情報教育が不足しており、子ども達はパソコンを使うことに慣れていないという。

・地域の教材化
 地域の教材化を図ることで、指導計画に地域との連携の視点が盛り込まれている。森の活動のほかに、農業体験や福祉、郵便局なの仕事など総合学習や生活科・社会科の授業で地域の教材化が行われている。故郷を意識化することを目的としている。授業に地域を教材として用いることは、子どもにとって学習内容を身近に感じ、興味関心や学習意欲を高めることができる。また社会科にとっては実際の生活や社会を意識した学習が行える。

・地域行事への参加
 連携している主な行事として、森の活動、合同体育祭、祇園祭、敬老会などがあり、その他にも学習発表会やマラソン大会、授業参観、交流求職などには保護者以外にも地域の方が参加している。地域、特に僻地にとって学校や子ども達の存在は地域の活性化の面においても役割が大きい。とくに見岳地区では祭りや知久の体育祭など大きな行事を連携して行っているため、学校や子どもの存在がなくなるということは、地域の行事や活動が行えなくなり、地域が廃れていることを示している。そのため、僻地の学校の統廃合は子どもを持つ家庭だけの問題ではない。地域として大きな問題である。見岳小学校もあと数年で廃校が決まっており、初めは地域から反対の声があったという。しかし最近では、複式学級という子どもにとっても学びにくい環境よりも、普通の環境で学ばせてあげたいという声も増えているという。

・連携のために
僻地地区にとって、学校と地域は持ちつ持たれつの関係にある。学校には、体験活動や行事の活発化のために地域の協力は必要であり、地域にとっては地域に学校があること、教育の場で地域を子ども達に意識させることは地域の存続にとって必要なことである。
学校が地域に認められ、協力してもらうためには開いた学校の姿勢が重要である。見岳地区はもともと「地域で子どもを育てる」という意識が強い。そういった地域の方の協力を活かすために、見岳小学校は開いた学校づくりを行っている。PTA全体会には地域の方も出席する。連携を実施する際には、連携という視点から活動を決定したり、学校のねらいを明らかにしておく。化と道後には意見や反省事項をうかがい弧碁に生かしていく。また、いつでも訪問できる学校として、ふれあい給食や授業参観には地域の方も参加をしている。こうした取り組みによって地域からの信頼を獲得し、協力を得やすくしている。訪問しやすい学校づくりにおいては、近年治安や子どもの安全という面で、閉ざされがちであるが、ほとんどが顔見知りで信頼関係のあり、治安が良いということで成り立っていると考える。連携した活動を行う際には、すべてにおいて学校が中心となるのではなく、役割を分担することで学校のスリム化を図るとともに、地域や家庭の教育力を向上させることを目指している。1人当たりの公務負担が多い僻地の学校にとって、地域との連携を行うことは、教育活動を充実させるために必要であるが、一方で教員の負担を増やすことになる。そのため協力のバランスというのが必要である。

②僻地の現状
今回の実習では、離島やへき地の少人数校の子どもたちの2つの課題を実感し、その原因について考えた。

・向上心・競争心にかけること
 離島やへき地の子ども達が向上心・競争心に欠ける理由として、少人数であることと人間関係や社会に対するイメージの不足があると考える。
少人数の学校や学級では、多人数の場合に比べて、いろいろな子どもに活躍のチャンスがおとずれやすい。そして、係活動などが全員に振り分けられたり、ここを活かす場を設けやすいため、それぞれに学校やクラス内での役割が与えられる。しかし、一方で固定化された人間関係やイメージの中だと、活躍する子ども、活躍するポジションが固定される傾向がある。そのため、一部の子どもはのびていくが、その他の子どもはあまり成長が期待できなくなるのではないかと考える。
一部の子どもの活躍は多人数の場合でもいえることである。さらに多人数では活躍の場や役割が全員に回ってくることも少ない。しかし、クラス分けや多種多様な部活動など人間関係の形成が自由なため、新たな関係や環境の中で、新たに自分の活躍の場を見つけるということができる。少人数の場合、クラス分けもないまま、幼稚園や保育園から小学校、中学校までを同じメンバーで過ごすことが多い。そのため、ポジションやキャラクターというのが固定化されやすい。そのため、自分の新しい一面や能力を見つけることが難しく、決められた役割や、ポジションの中での成長となりやすいと考える。
 そして、人間関係の変動が少なく、固定化されていることは、学習面や運動において競争心を産まなくなる。それは、ある種の諦めであり、安心感であると考える。子どもにとって競争するライバルとしてとらえることができるのは、実際に周りにいる友達であるため、人間関係や社会というものを狭くとらえてしまっている。成績上位の子どもにとっては、たった数人の中の上位であるにもかかわらず、みんなよりできているからと、安心感をもってしまうなど勘違いを起こしやすい。そして学力や運動能力の順位に変動がないまま成長を続けることは、自分はどうがんばってもポジションを変えることができないというあきらめになる。


・主体性・自立性にかけること
離島や僻地の子どもの特徴として、教師の言うことを素直に聞いたり、決められたことはきちんと取り組むという特徴がみられる。一見すると、素直であるとか規範意識があるということができるが、自ら考えて行動すること、主体的・自立的に活動する力が欠けているという課題がある。
少人数の学級や学校では、一人一人の子どもに目が行き届くというメリットがある。個々の能力や特性、過程の状況などについて理解しやすく、適切な支援を行いやすくなる。そのため、学習面においては、極端に学力の低い子どもや、学習についてくることができない子どもの発生を防ぐことができるなどの利点がある。しかし、この教師の目や支援が行き届きやすい環境にあるということが、主体的・自立的に活動できない子どもをうんでしまう場合もあると考える。どのように活動していいかわからなくても、教師の目が届くために指示を得られる。指導が行き届き何度も注意される。目が届きすぎることで、何度も注意されないと行動しなかったり、自分で考えて行動しないなど、主体的・自立的な活動を行わなくなるのである。また、少人数であるため、自分から求めなくても役割やポジションが与えられるということも原因の一つであると考える。

今回の実習は、離島やへき地の現状や課題を知る上で、いい経験ができた。離島の出身であり、将来は離島教育に力を入れたいと考えていたが、離島やへき地の現状の厳しさを実感した。しかし同時に、地域と近い学校や少人数の学校の良さについて改めて感じることができ、離島教育の力になりたいという思いが強くなった。
今回学んだ現状や課題について、今後解決策や改善方法を考えていきたいと考えている。

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