臨床実習Ⅰ詳細(matsukanaさんの実習記録) |
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2009年1月15日(木) |
アンケート結果(子どもの歴史認識の発達について) |
実習分野
ねらい・目的
子どもの歴史認識がどのように発展していくのかを、実際に授業を行うことで実践的に調査・分析を行う。
江戸時代の長崎と言えば、江戸幕府における唯一の外交窓口としての「出島」と「唐人屋敷」が思い浮かべられるだろう。また、2008年11月24日に日本で初めての列福式が執り行われたことによる、江戸幕府によるキリシタン弾圧の「島原の乱」も思い浮かべられるだろう。このように、江戸時代の長崎は人種、宗教、政治、経済が複雑に絡み合った特殊な土地と言える。
前述のとおり、出島と唐人屋敷は鎖国体制の象徴と言える存在であるが、長崎においては、オランダを中心とする事業が数多く実施され、唐人屋敷やこれに関係する事業は軽視されがちである。実際、小学校で使用されている教科書の中には、出島のみが描かれた絵が掲載され、唐人屋敷という言葉は出てこず、教科書からの学習だけで「唐人屋敷」を引き出すことは難しい。
しかし、私たちの実際の生活には、文化面においても食文化・祭事など中国から伝わった文化は今でも、私たちの生活に深く根付いている。児童たちは、唐人屋敷に住んでいた中国人から隣接する籠町の町民たちが龍踊りを教えてもらい、現在でもくんちにおいて、籠町が龍踊りを奉納していることを知っている。それでも、文化交流での知識であって、唐人屋敷においてどのような貿易が行われていたかは知らない。
江戸幕府の鎖国は出島=キリスト教弾圧となりがちであるが、唐人屋敷成立には江戸幕府の外交・政治・経済が深く関係しており、唐人屋敷の完成をもって鎖国体制の完成と言えるのではないだろうか。
唐人屋敷の完成は鎖国体制の象徴であると共に、鎖国と貿易の影の部分である抜け荷という問題を抱えた存在である。郷土・長崎の歴史から日本近世の社会構造を経済の視点から捉えられるようにすることが本実践の目的である。 |
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