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2009年1月5日(月) |
12月15日(月)美術指導の実践⑤「紙のしわ」(3回目・最終日)(知的障害児養護学校における美術教育の実践から~美術教育の意義や課題について考える) |
実習分野
ねらい・目的
現在県立鶴南養護学校の高等部に勤務している。本校の子どもたちにとって、障害という壁を乗り越え、社会で自立した生活を送っていくことが最も大きな課題であるが、これまでの教育実践を通して美術教育が果たす役割の重要性を強く感じている。この実習では、本校高等部における美術の指導実践を通して、知的障害児教育における美術教育の在り方を見つめ直し、その意義や課題について考えてみたい。
鶴南養護学校は長崎市南部、野母崎半島のほぼ中央に位置する知的障害児養護学校である。五島灘を見張らす小高い丘の上に立ち、その反対側には八郎岳がそびえる、とても豊かな自然に恵まれた環境にある。本校は小学部、中学部、高等部の三つの学部から成り、長崎市全域及びその周辺地域から子どもたちが通っている。この実習の対象生徒は高等部に所属する生徒であるが、そのほとんどが普通中学校から入学してくる。知的障害を持つ子どもたちであるが、その実態や特性はとても多様で、特に近年は自閉症やLDなど発達性障害の子どもの増加が目立っている。
高等部においては芸術教科として、美術の授業は1年生が週2時間の必修科目として、2・3年生は同じく週2時間の授業を美術・音楽・書道から選択する。芸術教科の授業は、自己の感覚や感情を自由に表現することができる。障害から生じる生活上の様々な課題の改善を図る指導が多い中、子どもたちが楽しみながら自己を解放できる貴重な時間である。指導にあたっては、子どもたちの特性や個性を認めながら、表現を通して他者とのつながりも促すように努めている。また、子どもたちの表現に対し、その技術や作品の出来栄えを問題とするのではなく、その活動全体の取り組みを通じて、子どもの持つ感覚を最大限に引き出し、積極的に活動に参加する態度や美への意識を養っていきたいと考えている。たとえ障害によって発達に遅れがあっても、個々の個性や感覚を生かした表現活動が可能であることを、いくつかの指導実践に取り組みながら実証し、またその指導における課題について考えてみたいと思う。 |
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