出会い、研鑽、臨床ノート~臨床実習のガイドと記録~
臨床実習Ⅱ詳細(ハナさんの実習記録)
実習Ⅱ 2008年12月8日(月) 授業の実際 (1) 単元名  共に考えるために伝えよう  (国語科総合単元学習の研究 -子どもの視点で考える学校(施設・設備)改善案づくり-)
実習分野
教材作成
ねらい・目的
1国語科単元学習について
 国語科単元学習は,一人一人の子どもの国語力をのばすことを目指し,大村はま氏,倉澤栄吉氏の研究実践や指導方法の理論をはじめ,1990年代における「新単元学習」 の様々な研究実践など,これからも研究を続けていくことが望まれている学習方法である。新学習指導要領においても,単元学習の考え方を認めることができる。例えば,目標と学習活動(内容)を組み合わせて単元を構想することが求められている。また,「読むこと」や「書くこと」などの領域を総合すること,生活や他教科に生きる国語の力を目指すことなどは単元学習の考え方を反映しているといえる。
 本実践を「総合単元」としているのは,単元学習の中でも特に「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の各領域の総合を意味している。これは,表現力を伸ばすだけでなく,表現するために理解活動が積極的になされ、理解力も育つことを意図している。
 本実践は,学校を生活しやすい施設として,また,ユニバーサルデザインを考えた施設として見直すことができるように,資料や低学年へのインタビューによる情報,車いす・高齢者疑似体験によって問題点を一人一人がとらえ,改善計画を考え,さらに考えを交流し合い,よりよい学校施設改善案に高めていく単元学習を展開している。
本単元学習を倉澤栄吉氏による国語教育における単元学習の指導方法の理論(『国語学習指導の方法』『国語単元学習と評価法』「倉澤栄吉国語教育全集第1巻 国語単元学習の開拓」1987年 角川書店)とを照らし合わせ,単元学習に必要な5つの観点を立てて考えていくことで,国語科単元学習がどのようなものであるか改めてとらえるとともに,本実践の評価の手ががりとしていきたい。


 *「国語科新単元学習の構想と授業改革」浜本純逸・井上一郎編(明治図書1994年)  による新単元学習
  浜本純逸氏は,敗戦後の新しい国語教育における単元学習の試みを旧単元学習と呼 び,旧単元学習の「はいまわる経験主義」の反省と大村はま氏の実践に学んだものを 新単元学習と呼んでいる。「『単元学習では学力が育たない』という批判を克服しよ うとする単元学習の新生である。」としている。

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